PSpice 入門−第 4 章

4. 中学生レベルの回路

 ここでは中学生が習うような回路を作成してシミュレーションを行い,理論どおりの結果が得られるかを試してみます。

 まず,図 4.1 のような回路図を考えます。最近の中学生は抵抗を図のような記号では表しません(ギザギザの記号ではなく長方形の記号に変わっています)が,僕は以下の図で通します。
 抵抗値が R1 = 2[Ω],R2 = 4[Ω] の抵抗を直列につなぎ,それに直流 18[V] の電圧をつないだときにそれぞれの抵抗値にかかる電圧 R1 と R2 がいくらになるかをシミュレーションしてみます。

図 4.1 対象となる回路図

4.1 理論

 オームの法則,いわゆる以下の式

で表されるすばらしい法則(V が電圧値,I が電流値,R が抵抗値です)を駆使すれば,V1 と V2 は求まります。上式を駆使しなくとも,18[V] の電源電圧を抵抗値の 2 : 4 = 1 : 2 で分けると考えれば簡単求まります。理論的には V1 と V2 は以下のようになります。

V1 = 6[V], V2 = 12 [V]

 一応,オームの法則の式を駆使して解く方法を以下に示します。以下のような方程式をたて,各値を代入して以下の連立方程式を解くことで V1 と V2 が求まります。上段の式は,直列につないだそれぞれの素子にかかる電圧値の和は,素子全体にかかる電圧値に等しいという性質からきています。下段の式は,直列につないだ素子の電流値はそれぞれ等しいという性質からきています。


4.2 回路図作成

 図 4.1 を PSpice 上で描きます。まず,付録 A 章にしたがってプロジェクトを作成し,回路図ウィンドウを開いてください。プロジェクト名は何でも構いませんが,僕はここが 4 章なので「4」としました。付録 B 章C 章を参考に抵抗,電源そしてグランドを配置し回路図を作成します。先に,完成した回路図を図 4.2 に示します。

図 4.2 作成した回路図
4.2.1 配線の仕方

 ウィンドウ上部のメニューから [Place] - [Wire] をクリックするか,回路図ウィンドウの右側にあるツールバーのうち上から 3 番目にある をクリックします。そして,繋ぎたい部分をクリックすると配線が始まり,繋ぎ終えたい部分でクリックすると配線が切れます。配線を終了したい場合は,右クリック をして [End Mode] をクリックしてください。この [End Mode] の操作はどの操作の場合でも,その操作を終了します。

4.2.2 電源,素子などの値の入力

 電源や素子には必ずその名前が表示されています。図 4.2 では左側の抵抗の名前が R1抵抗値が 2[Ω] です。名前や値を変更したい場合は,その名前あるいは値をダブルクリックしてください。図 4.3 に抵抗値をダブルクリックしたときに表示されるウィンドウを示します。図 4.3 では,抵抗値値が 1k[Ω] に設定されています。

図 4.3 素子の値を入力するウィンドウ
4.2.3 マーカー(プローブ,観測点)の配置

 ここでは抵抗にかかる電圧を調べたいので,電圧測定用のマーカーを配置します。ウィンドウ上部のメニューから [PSpice] - [Markers] - [Voltage Level] をクリックしてください。すると V というマークの付いたマーカーが現れますので,観測したい部分でクリックしてください。マーカーの配置が終われば,右クリック をして [End Mode] をクリックしてマーカー配置のモードを抜けてください。

4.3 Simulation Profile の作成

 最後にシミュレーションを行う条件などを設定するファイルを作成します。そのファイルが Simulation Profile です。ここでは一定電圧をかけたときの抵抗値にかかる電圧をオシロスコープで見るようなシミュレーションを行います。

 まず,ウィンドウ上部のメニューから [PSpice] - [New Simulation Profile] をクリックするか,ツールバーのをクリックしてください。すると New Simulation というウィンドウが表示されますので,Name: の部分に適当な名前を入力し [Create] をクリックしてください。僕は 4.2 の時と同様に名前を「4」としました。 [Create] をクリックすると Simulation Settings - (先ほど入力した名前)というウィンドウが表示されます。

 Analysis type:Time Domain (Transient) を選択してください。ここで解析の種類を選択します。次に,Run to time: で解析する時間を指定します。デフォルトでは 1000ns すなわち,1μs と設定されていますがこのままで構いません。一定電圧での測定ですので,どんなに解析時間を延ばしても何も変化はないはずです。設定は以上です。OK をクリックしてください。

4.4 シミュレーション

 それではいよいよシミュレーションです。ウィンドウ上部のメニューから [PSpice] - [Run] をクリックするか,ツールバーのをクリックしてください。PSpice のウィンドウが現れて,結果のグラフが表示されます。以上でシミュレーションが無事終了しました。ここまでどうもお疲れ様でした。シミュレーション結果を図 4.4 に示します。ただし,図 4.4 のグラフの色は,皆さんのグラフの色と異なっているかもしれませんが,問題ではありません。 

図 4.4 シミュレーション結果

 グラフより,R1 にかかる電圧が 6[V],R2 にかかる電圧が 12[V] となっており,理論どおりのシミュレーション結果(理論とシミュレーションは同じで当然であるが…)が得られました。これで PSpice に対する興味が少しでも持っていただければ幸いです。



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